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萌えを語り倒すためのブログ。 今は阿伏威ブーム。
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久しぶりのラブラブ日雛(リハビリ)

「日番谷君」

「あ?」

「賭け、しない?」









秋茜と木漏れ日の真珠

















夏がゆっくりと、しかし確実に秋へと変わっていく頃。

風が心地良い午後。休憩時間。

雛森が突如日番谷の執務室にやってきた。

そして、今の言葉。



「賭けって・・・、何すんだよ?」

「簡単だよ。あのね、今から20分間。

 あたしトンボ捕まえに行ってくるから。

 賭けの内容はあたしが何匹捕まえられるか、日番谷君があてるの」

「はぁ・・?」

「負けたら1つだけ勝った方のいう事をきかなくちゃだめ。

 どう?」

「・・・く」

「く?」

「・・・くだらねぇ・・」



その言葉を聞いて雛森は顔を赤くして、頬を膨らました。


「いいじゃない、別に!」

「お前何怒ってんだよ」

「もう・・いいや。吉良君にしてもらおーっと」

「・・・おい」

「でも吉良君、勘良さそうだから負けちゃうかもぉ・・」

「・・おいっ」

「でも、『くだらない』とか言って負けるのが怖い誰かさんよりは・・」

「おい!!!!」

「何?日番谷君」


襖に向かって歩き出していた雛森は振り向いた。

顔はとても楽しそう。

今度は先程とは反対に日番谷が不機嫌そうになっていた。


そして




「場所は裏の演習場。20分経ったら行く」

「じゃっ!!捕ってきまーす」




日番谷がため息をついて了承したのを確認すると

雛森は飛び出していった。






「・・・何が賭けだよ・・」


日番谷は窓から演習場に向かう雛森を見ていた。


「アイツ・・何が狙いなんだか」











20分後













日番谷が雛森の所へ行った時、雛森は木陰で休んでいた。

彼女は虫網と虫かごを持っていて、虫かごの中身は見えないように布が掛けられていた。




「捕れたのか?」

「うん。でも一体何匹捕れたか分かるかな?」

「ああ。最初から予想はついてた」

「じゃぁ、何?」





木の根元に座った雛森を、日番谷が見下ろしていた。

彼女からは木漏れ日を背に受けている日番谷が何だかキラキラ光っているように見えた。

午後の風がふいて、二人の髪を軽くなびかせて。

彼は口を開いて、その勝ち誇ったような、ニヤリとした笑みを浮かべて、言った。












「ゼロだ」













その言葉を聞いて、雛森は驚いて虫かごにかかっていた布を取った。

中には何も入っていなかった。





「どうしてわかったの?」




日番谷は楽しそうに彼女の隣に腰を下ろした。





「簡単だろ、こんなの」



そして小さな虫かごを掴んだ。




「お前は虫取りとかあまり好きじゃなかった。

 捕まえてもすぐに逃がしてた。

 『可哀想だから』ってな」

「・・覚えてたんだ・・」




雛森は少し嬉しそうに頬を染めた。

午後の風の中に懐かしい故郷の香りがした。




「・・でも、どうしてこんなこといきなりしたんだよ・・?」




日番谷は手持ち無沙汰なのか

しばらく掌にその虫かごを乗せ、

見つめていた。




「俺になんかさせたいなら普通に言えばよかっただろーが」

「違うの、それじゃ、駄目なの」

「・・なんだ、それ?」

「それにね!!あたしの虫網にはとんぼは入らないの」

「はぁ?」





雛森の虫網はいたって普通の虫網で、

穴があるわけでもなく。






ただ、何故か雛森は・・とても恥ずかしそうに

頬を更に朱に染めて俯いた。

彼女の右手にはいつの間にか虫網が握られていた。








「あたしは・・」









パタリ









虫網が捕まえたのは












「日番谷君を捕まえるのに精一杯だもの」











日番谷は頭を網に覆われたいたって恥ずかしい状況で。

驚いたように彼女を見つめた。

雛森は恥ずかしさの中にも、してやったりというような

悪戯っ子の笑みを浮かべた。





「馬鹿だな」





日番谷はいかにもバカバカしいといった感じで網を取った。




「・・・今の言葉・・・本気なのに・・」

「ああ知ってる」

「・・ちょっとヒドイ」

「ああ・・お前がな」

「へ?」














「俺の10倍はお前を捕まえる方が大変だな」








彼女を捕まえたのは、無機質な網でなく

血潮流れる彼の腕。










「・・・日番谷く・・」

「何が『日番谷君を捕まえるのに精一杯』だ?」

「えっ・・・・と」

「お前がトンボみたいにすぐにウロチョロするんだろ」

「そ、そんなことないよ!!」

「何が『吉良君にしてもらおうー』だ」

「あの・・・」

「勘違いするな、雛森」











「お前の網は『日番谷君を捕まえるので精一杯』じゃねぇ。

 お前の網には俺以外誰も入れねぇし、俺の網にも最初からお前しか入ってねぇんだよ」













次の瞬間彼女は赤とんぼより更に頬をそめて。

彼は彼女を幹に押し付けると耳元で囁いた。









「そういや、負けた方がいう事きくんだよな?」

「え・・それは・・」

「きくよな?」

「それは・・内容によるっていうか・・・」

「でもお前は俺の貴重な休憩を使ったからな。

 それなりに対価を払ってもらわねぇとな?」

「あの・・」

「そうだな、とりあえず・・・」











「キスでもしとくか?」











その言葉を聞くと、彼女は少し安心したように。

彼は優しく頬に手を添えて。













唇が重なった時、虫かごの上に赤とんぼが止まっていた。

まるで、その時に捕まったかのように。



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