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萌えを語り倒すためのブログ。 今は阿伏威ブーム。
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突発ヒルまも小説

「仮定の話をするのはあまり好きじゃないけれど」

「あ?」













木漏れ日の下で、僕らは閉塞感に喘いでいただけ













「逃げたいな・って思ったりしない?」

「何から?何のために?」

「それも含めて質問してるのよ」

「そんなの質問になってねぇ」

「蛭魔君にそんな感情があるのかしら?って聞いてるのよ」

「しいていえば、ねぇな」

「言うと思った」




昼休みの屋上は腹が立つほど眩しくて蒸し暑い。

残暑なんてまだまだといったところ。




「てめぇはあんのか?」

「何がよ」

「逃げてぇって思う気持ち」

「・・・あるわ。今この瞬間から逃げ出したい」

「どうして?」

「ここにあたしが世界で一番嫌いな男がいるからじゃない?」



嘘は言っていない。

彼女は心の中で悪態をついた。

しかし、この男は唇の端をうっすら持ち上げただけ。




「なら、戻ればいーだろーが」

「呼び出したのは、そっちでしょ!?」

「あーそーでしたね。ハイハイ」

「第一なんで昼休みに呼び出したの?

次の対戦校のデータだってもうまとめ終わってるし・・」

「・・気まぐれ」

「最悪」



本当にムカつく。

彼女は悪態をついた。

というか彼女に悪態をつくこと以外、彼に対してできることは

限りなく少ないのかもしれないが。




「・・・あぁ・・」

「何?」

「思い出した、呼び出した理由」

「あら、それはよかった。で、何?」

「・・・無駄に暑いし、暇だった」

「結局、あたしで遊びたかったんでしょ!!

 もう無意味に呼び出さないでよ!!馬鹿、悪魔!!!」

「あと、キスしてぇ」









「・・・誰と、どこで、何時何分何秒、世界が何周・・・?」

「古いネタかつガキの言い訳だな」

「今の私に言ったんじゃないわよね?」

「お前以外に誰がいるんだよ」

「・・・分かった。暑すぎてさすがの蛭魔君も脳みそ蕩けちゃったのね。

『とろけるチーズ』のように蕩けちゃったのね」

「・・・かもな。糞マネ」



そういって、彼は座ったまま

彼の横を通り過ぎようとした彼女の細く白い手首を掴んだ。




「離して」

「じゃぁ一つ聞かせろ」

「何よ」











「お前がこの状況から逃げ出したい理由は?

 A:現在進行形で俺にキスされそうだから

 B:暑いしこんなやりとり無意味だから

 C:あと5分で予鈴が鳴るから」



「D:嫌いなはずなのに、今彼方とここでキスしたいと思ったから」






悪魔の微笑みが彼女を被って

悪魔の舌が彼女の言葉を吸い取るまで











こんなの余興的茶番に過ぎない。

彼は道化師で、彼女はだまされる女を演じて

彼方はこの茶番の観客を演じているにすぎない
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アキ
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女性
職業:
大学生
自己紹介:
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