忍者ブログ
萌えを語り倒すためのブログ。 今は阿伏威ブーム。
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

初心にかえる
いつかの君を思い出す
いつかの君が回帰する




―ル・ヴォワール―





風呂から上がって自室に戻る時
アイツの部屋の戸が開いていた
今は十一時すぎ
明日の弁当の下拵えも終わってねるとこ
アイツが起きてるなんて意外だった

そっと戸の隙間から覗けば
アイツは寝間着で窓際から空を見つめていた
満月を見つめる瞳はどこか虚空をさ迷うような
昔のアイツに似ていた

「眠れねぇのか?」
「…ノックぐらいしなさい」
「すいません」

いつもならビンタが飛んできそうなもんだが今日は違った

ゆっくり近づいて隣に座った

「月、綺麗だな」
「そうね」

髪から甘い匂いがした
アタシ専用と名うたれたシャンプーとトリートメントは
自分が使ってるリンスインシャンプーより高い
でもアイツはそれを譲らない
別に女だしそれくらいはありだろうけど

「…なんかよ」
「何…?」
「お前の後ろ姿みたらよ、また昔のお前に戻ったんじゃ…ってドキッとした」
「…そうかもね」
「…そうなんか?」
「力が戻ったわけじゃないの
ただ何となく昔の気持ちが戻ってくるだけ」

ぼんやりとこっちを見ずに呟いた
見たくないのだと察した

アイツとの出会いは最悪だった
ビンタ拒絶変態呼ばわり
理不尽喋んねぇ笑わねえ人形

でも全部強がり
自分が傷つくより誰かを傷つけることが
怖くて堪らない
優しいヤツだって知ってるから

亜麻色の髪が風に吹かれて
月夜にあたってキラキラしてる
合成香料が本物になる

キラキラの糸を指に絡めて
後ろから小さな肩を抱きしめた

「オイラは味方だからな」

初めての友達を失って
手に入れたのは
護りたいと思う人だった

逃げていた自分が
初めて愛した人だった
この壊れそうな小さな背中をずっと支えてたいと思ったから

肩を震わせて、オイラの右手首に水滴が落ちて

アイツはうなづいた
発した言葉は涙声だったが

「…うん」

いつかの年の瀬を思い出した
初めて人を本気で愛した日のことを

肩口に優しく頭を垂れたアンナを抱き締めると
暫く泣いて、子供のような顔で寝ていた

恐妻なんてどこにもいなかった

―――――――――――――――――――
まさかの葉アン
初心に返りすぎた
やっぱいいね葉アン
ルヴォ編で号泣でしたよ、ワレ(笑)
「愛してる」のシーンは半発狂だったね。
今日から現社始める女の戯言でした(え
PR
TRACKBACK
この記事にトラックバックする
| prev | top | next |
| 196 | 195 | 194 | 193 | 192 | 191 | 190 | 188 | 187 | 185 | 183 |
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
プロフィール
HN:
アキ
性別:
女性
職業:
大学生
自己紹介:
CGと鰤がだいしゅき!
バーコード
ブログ内検索
カウンター
忍者ブログ  [PR]
  /  Design by Lenny